
FIRE後の暮らしを考えるときって、すごくウキウキしますよね。
ー労働をセーブして、自然豊かな街で趣味を楽しむ!
ー自分の畑をもって、自給自足してみたい!
都会で働いている人たちは特に、一度は田舎暮らし憧れるはず。多分にもれず、私もその一人です。
でも、「その生活、本当に続けられるのか?」
現実を見せてくれるのが、高齢者の住み替えに関する国の調査データです。
■年齢とともに「住み替えたい気持ち」はどう変わる?
図1:住み替え意向の有無(年代別)*1
| 年齢 | 「ある」 | 「将来的には検討したい」 | 「ない」 |
|---|---|---|---|
| 60~64歳 | 9.9% | 31.0% | 59.2% |
| 65~69歳 | 7.9% | 27.8% | 64.3% |
| 70~74歳 | 5.3% | 26.0% | 68.7% |
| 75~79歳 | 4.7% | 22.7% | 72.7% |
| 80~84歳 | 2.9% | 18.7% | 78.5% |
| 85歳以上 | 2.8% | 15.6% | 81.7% |
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高齢になるほど「住み替えたい」という意向は急減。
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「今はしないが、将来的に検討」は60代前半がピーク(31.0%)。
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85歳以上では8割以上が「住み替えない」と明言。
引退後、子供も自立し、親の介護問題が気になってくる60代。そんな現実が住み替え意識が高まるのかと推測しました。一方、高齢になると環境の変化は望まない傾向にあることも要因のひとつでしょうか。
■なぜ住み替えたいと思ったのか?──理由にも年齢差あり!
図2:住み替えの理由(年代別)*2
| 理由 |
60代前半 |
70代前半 | 75歳以上 |
|---|---|---|---|
| 健康・体力の不安 | 18.5% | 23.3% | 35.9%(最多) |
| 自宅が住みづらいと感じた | 16.1% | 17.1% | 18.5% |
| 生活費を抑えたい | 11.4% | 9.4% | 6.3% |
| 交通・買い物の不便 | 19.4% | 19% | 22% |
| 自然の中で暮らしたい | 8.6% | 12.7% | 10.8% |

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若年層(60代)は「自然の中で暮らしたい」「趣味を充実させたい」といった前向きな理由が他の世代よりも多い。
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高齢層(75歳以上)は、「健康・体力の衰え」「買い物の不便」「家の住みづらさ」といった生活の苦しさからの理由が急増。
FIRE直後は「理想の暮らし」でも、年齢とともにその生活の維持が困難になる可能性が高そう。
■医療は「近くにあるのが当たり前」ではない
「健康なうちは田舎でのびのび過ごしたい」と思う人は多いでしょう。
けれども、加齢とともに医療機関の利用頻度は確実に増えます。
令和4年度の調査*3によれば、高齢者のうち月に1回以上、医療機関を利用している人が全体の約7割を占めています。特に75歳以上では、月に数回の受診もめずらしくありません。
| 利用頻度 | 割合(%) |
|---|---|
| ほとんど毎日 | 0.8 |
| 週に4~5回くらい | 0.6 |
| 週に2~3回くらい | 4.5 |
| 週に1回くらい | 4.9 |
| 月に2~3回くらい | 16.6 |
| 月に1回くらい | 37.1 |
| 年に数回 | 13.5 |
| 利用していない | 18.1 |
| 不明・無回答 | 3.9 |
田舎では、病院まで車で30分、バスは1日2本ということも。
「定期通院が前提になる未来」を意識して、住まいを考える必要がありそう。
■買い物は「徒歩圏」が命綱になる?
都市部なら徒歩圏内にスーパーやコンビニがあることが多いですが、田舎ではそうとは限りません。令和5年度の調査*4では、以下のような傾向が見られました。
| 地域 | 徒歩 (%) | 自分で運転 (%) | 公共交通機関 (%) | 家族等が運転/タクシー (%) | その他 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | 28.4 | 55.6 | 2.3 | 7.1 | 6.6 |
| 大都市 | 50.1 | 32.9 | 3.2 | 6.4 | 7.3 |
| 中都市 | 26.9 | 57.7 | 2.5 | 6.3 | 6.5 |
| 小都市 | 14.6 | 68.1 | 1.6 | 8.1 | 7.6 |
| 町村 | 18.7 | 67.1 | 1.3 | 9.7 | 3.2 |
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大都市は徒歩・公共交通機関が中心で、高齢者にとって暮らしやすい環境。
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町村・小都市では自動車運転への依存が非常に高い。
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地方では高齢者が家族に依存して生活している現状が伺える。
高齢になると免許返納や運転リスクも現実になります。
「買い物に行けない=食生活が崩れる」という事態も起きかねません。
食の乱れはフレイル(虚弱)を加速させる要因です。
つまり、田舎に住むなら
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近所にお店があるか?
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配達サービスは利用可能か?
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自分が車に乗れなくなったとき、どうするか?
こうした視点がとても大切になりそうです。
「若いうちは田舎でのびのび、年齢を重ねたら街に戻る」
そんな二拠点的な発想が、高齢化社会時代、これからのFIREには必要かもしれません。
今、私は東京の端っこに住んでいて、徒歩圏内に駅、スーパー、病院、コンビニ、必要なものすべて揃っています。年齢重ねたらめっちゃ住みやすい街。ただ、家賃が高い!!だから、早くお金を貯めたい身としては家賃安い地域に引っ越したい。
少し田舎の方に引っ越して、70歳くらいまで、ゆっくりと楽しんで、高齢になってきたら、利便性の高い街に戻ってくるってありなのかな~とも思ったります。
■まとめ:「今の自分」だけで住まいを決めない
FIRE後に田舎へ移住するのは素晴らしい体験ですが、それを一生続けるには、年齢に応じた変化とサポートが必須だということが分かりました。
だからこそ──
「理想」と「現実」のギャップを知っておく。
将来必要になる支援や再移住も含めて、二段階で計画する。
高齢期の見守り・医療・買い物は軽視しない。
これらを踏まえた住まいを考えていくことが、大事なのではないでしょうか。
ある日ふと、「この暮らし、もう少し街に近くてもいいかも」と思える日が来たとき、柔軟に選べる余白を残しておきたいものです。
今日のFIRE訓
今の快適、未来の不便。
*1:内閣府,令和6年版高齢社会白書(全体版):2 高齢期における住み替え3に関する意識について,2025年5月8日
*2:内閣府,令和6年版高齢社会白書(全体版):2 高齢期における住み替え3に関する意識について,2025年5月8日
*3:内閣府,令和4年度 高齢者の健康に関する調査結果(全体版):3.医療・福祉,2025年5月8日
*4:内閣府、平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版):調査結果の概要(2.住宅や生活環境に関する事項)、2025年5月8日